日本政策金融公庫からの融資を受ける場合、必ず面談を受ける必要があるのですが、弊社のお客様に様子を聞いてみると皆さん意外に面談の席で緊張してしまうようです。
そこで今回は面談対応の極意をいくつかご紹介したいと思います。
聞かれたことにだけ答える
人間、緊張するとついつい余計なことまでペラペラ喋ってしまいます。嘘はいけませんが、聞かれていないことまで答える義務はありませんので、面談では聞かれたことにのみ、簡潔に答えましょう。余計な事まで喋って面談担当者に変に警戒されたり、誤解されてしまっては馬鹿らしいです。
事業計画書に書いておく
これは、上記の「喋りすぎ」の反対のケースですが、面談中に緊張して頭が真っ白になってしまう方がいらっしゃいます。
そのような場合でも、売上や仕入等の数字予測の根拠や経営方針、 営業戦略をきちんと事業計画書上に書いておけば、たとえ頭が真っ白になったとしても 事業計画書を見ながらでも説明する事ができます。
逆に、日本政策金融公庫の担当者の方が導いてくれることだってあるでしょう。(同じ事業計画書を提出しているわけですから)
事業計画書をギッシリ書いておけば、それがカンニングペーパーのような役割も果たしますし、事業への熱い想いというアピールにもなるのです。(事業計画は暗記しておかなければならい、と考える方が多いのですが、別に暗記して面談に臨む必要はありません。)
基本的に、「事業計画書さえ読めば事業概要・戦略・心構えがわかる」と言うレベルまで作りこんでおきたいところです。
担当者は味方・仲間だと思って話す
日本政策金融公庫融資のポイントの一つは担当者を味方につけることです。公的融資にしても、民間金融機関からのプロパー融資にしても同じですが、上に稟議を持っていくのは面談担当者ですから、その面談担当者に好印象を与えなければ通るものも通りません。
相手も人間です。こちらが一生懸命、そして親切に話せばなんとか協力してあげたいと考えるはずです。(稟議を通し、融資実行を実現する事が彼らの営業成績にもつながります。)
専門用語を避けて、わかりやすく事業内容を説明してあげたり、多少突っ込んだ質問をされてもきちんと答えてあげる精神が必要です。面談は人物評価の場でもありますので、プライベートな質問も多少はあるでしょう。(実際にこれまでの職業、歩み、家族構成・必要な生活費・保証人に関して等突っ込んだ質問も面談では聞かれます。)
事業計画にケチをつけられることもあるでしょう。そこで腹を立てたり、担当者と喧嘩することだけはご法度です。担当者は味方と思って、温厚且つ冷静に対処して下さい。
担当者の方から、「返済期間、もう少し短く出来ませんか?」 とか、「設備資金ですが、500万円で申請されていますが、400万円が限界だと思うのですが・・」 との先方からのアドバイスや歩み寄りを見せられたときは、出来るだけ応じてください。担当者にしても何とか融資を通してあげようと思っての提案ですから。
そこをごり押ししたり、怒鳴り散らしたところで、悪影響こそあれ融資が有利に傾くなんてことはありません。
何から何まで要求を受け入れろというわけではありませんが、 許容できる範囲では、共に融資実行と言う共通目的に向かって頑張るんだという気持ちで担当者の言う事に耳を傾けてください。
最後に、借りる側、貸す側、どちらが優位でどちらが偉いということはありません。立場はイーブンなわけですから、堂々としていれば良いのです。
融資申込側である我々は相手のルールの中で戦わねばなりませんので、確かに時には、折れなければならない面も出てくるでしょう。しかし、何も卑屈になることはありません。ありのままの自分で、緊張しすぎずに臨みましょう。
社長としての質感を示す
これから創業融資を受けようと考えているあなたは、会社トップである社長になろうとしている人物です。(個人事業であっても同じことです。どんなに小規模、少人数でもあなたが事業のトップなわけですから。)
そんなあなたが面談の席でオドオドして自信なさ気に話していたり、キョロキョロして挙動不審な動きをしていれば、担当者はあなたの社長としての質感に不安を持つことでしょう。
事実、このような理由(社長としての質感が不安)で融資を不可とされてしまう方もいらっしゃいますので、面談の席では堂々と話すよう心がけてください。
今後独立開業したら、数多くの契約の現場や交渉の現場に立ち会うことになります。そんなシーンでも「この人なら大丈夫だろう」という安心感を面談担当者に与えるくらいの面談にして頂きたいと思います。