1.資本金は融資しない
資本金は自ら、若しくは出資者が出すお金であって、日本政策金融公庫があなたの会社の株主になることはありませんから、資本金の為の融資はしてくれません。
従って、融資申込の際に「会社設立を考えています」と伝えると、公庫からは「それでは会社を設立してからまた来て下さい」と言われます。
2.資本金が少なすぎると融資を受けにくい
資本金が数千円とか、社会通念上、「その資本金で事業継続無理だよね?」という金額で資本金設定した場合、創業時の融資は可能性が低くなります。
ちなみに私は資本金2千円の会社を経営しておりますが、普通に創業融資300万受けました。無理というわけではなく、可能性が低くなるだけの話であり、また自分のことなら好きにすればいいけども、お客様にはお勧めできないですよという話です。
尚、資本金が著しく少ない場合、銀行口座開設はもちろん、証券口座開設や事務所契約の審査も落ちることが多くなります。
最低100万円、出来れば、普通に事業で必要になる資金分は奇をてらうことなく出資するようにして下さい。
3.バーチャルオフィスが本店所在だと融資を受けにくい
実質、登記可能な私書箱サービスみたいなバーチャルオフィスですと、実態確認ができないので(公庫担当者は事務所確認に来ますので)、融資は通りません。
バーチャルオフィスを本店所在地にするくらいなら、実家を本店所在地にしましょう。(ただし、実家が遠隔地の場合、その本店を管轄とする公庫に申込をすることになるのでご注意ください。)
トリッキーなのは「レンタルオフィス」の場合です。レンタルオフィスは自前契約の事務所ではないものの、実態自体はあるわけですから堂々とアピールしましょう。
ただ、レンタルオフィスにもネガティブな印象を抱く担当者は多いので、
- レンタルオフィスにすることで初期投資を抑えた
- レンタルオフィスにすることでランニングコストも抑えた
- レンタルオフィスであっても商談、実務、サービス提供に何ら問題ない業種であり、サービス形態であることをきちんと説明
- 私は公庫の理念に沿って、小さく始めて大きく育てる所存ですよ!というアピール
この4点セットで乗り切ってください。
4.事業目的にNG文言が入っている
日本政策金融公庫では、一部の風俗営業、公序良俗に反するもの、投機的なものは融資除外するとしています。
公序良俗に反するものは当然不可ですが、一部の風俗営業というのはザックリ言えば「性風俗」の類ですね。
同じ風俗営業といっても、飲み屋さん関係は普通に融資が出ますがソープは無理です。許可持ってても無理。競輪・競馬・パチンコもNG。
投機的なものは例えばFX取引の為に融資してくださいといってもそれは無理ですよって話です。金融業は民業圧迫に繋がるので全般NG。
行政書士や司法書士に、「将来やろうと思っている事業はあとで目的追加の手続きが必要になり余計に費用がかかりますよ」とご丁寧なアドバイスを受けてずらずら書き連ねて設立登記したら、融資の際に「この事業目的があるから融資ダメ」ってことになり兼ねません。
事業目的は必要最低限、本当にやろうとしていることで融資の邪魔しないものだけにしておきましょう。
5.営業許認可の有無
これは営業許認可の種類にもよります。
例えば建設業の場合、工事1件の請負代金の額が500万円に満たない軽微な工事の場合、許可がなくてもできます。
もし事業計画が軽微な工事のみで数をこなして売上あげていきますという事業計画の場合、許可がなくても融資は実行されます。(もちろん許可を持っていた方が融資は更におりやすくなりますし、また、取引先の信用も増し、大きな工事もできるようになり売上アップにもなります。)
一方で、労働者派遣・職業紹介のような仕事は許可がなければそもそも事業自体が行えないので、まずは許可を取ってくださいとなります。
私自身も労働者派遣・職業紹介の許可を持って融資を受けております。(実際の許可証も公開中)
融資は創業融資が一番受けやすいのですが、その分一番書類や要件整備が大変です。ご自身の事業計画立案と準備に集中する為にも、専門家をうまく活用しましょう。