日本政策金融公庫へ提出書類のひとつとして、事業計画書があります。その事業計画書の最初に記載する項目がこの「開業の動機」です。
皆さんはこの項目、どのようなことを書きますか?
この開業の動機に関しては特にこれと言った決まりなんてものはないのですが、事業を始めようと思った経緯や開業の為に努力したことをアピールしていきましょう。基本的に前向きな理由が必要です。
- 会社が嫌になったから
- 就職したくないから
- 職場の同僚と合わないから
そのようなネガティブな理由で独立する人に融資なんてしたくないですよね。
また、あまりに利益追求に偏った動機も考えものです。
- もっと大きく稼ぎたいから
- 今の給料に不満だから
- 自分でやった方が楽して儲かるから
営利事業をはじめる訳ですから、利益追求はしていかなければなりません。しかしそこに社会への貢献や、事業体としての理念などが抜け落ちた完全なる私利私欲の為の融資もまたおりにくいものです。
利益追求をきちんと考えつつも、社会性や公共性という面で自分がアピールできる部分はないか?ということも考えてみてください。
以下は私がお客様からヒアリングした上で作成した「開業の動機」です。参考にしながら、ご自身の開業の動機を整理してみて下さい。
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約5年半前に、先日まで勤務しておりました○○工事専門会社である××株式会社へ入社致しました。
入社の際から、5年後の独立を前提に社長には話をしたうえで勤務しておりました。
この5年間は○○設備工事の仕事のノウハウを学ぶだけでなく、取引先との信頼関係構築や独立の為の貯金を
心がけて来ました。
この度、××株式会社での勤務も5年を過ぎ十分なノウハウと経験を得たこと、各取引先や元勤務先からの応援があったこと、5年間貯めた自己資金が目標額であった400万円に達したこともあり、独立を決意致しました。
お客様や取引先、応援してくださる方の気持ちを裏切る事がないよう、一生懸命頑張りたいと思っています。
我々のサービスで、地域社会の事業者の方々と、そこで働く社員の方々が快適に働くことの出来る職場環境作りのお手伝いをすることで、地域発展の貢献が出来ればと思っております。
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この部分は熱意をもって、融資申請者自身がしっかりと面談担当者に口頭でも伝えられるようにしておきましょう。
専門家に丸投げして、開業の動機を自分の口から話せないなど論外です。
面談担当者だって人間です。あなたの情熱が伝われば、応援したいという気持ちにもなるというものです。
あなたの開業の動機は第三者から見て「応援してあげたい」と思われるような内容になっていますか?
くれぐれも適当に記載して提出しない様に気をつけてください。出来れば一度、第三者に見てもらって、意見を聞かせてもらうと良いでしょう。