「嘘の事業計画でも融資はおりますか?」
極稀にではありますが、上記のような問い合わせを頂きます。
融資を受けようとする方は勤勉で、相談される前から融資に関する知識をつけてらっしゃる方も多いです。
「どうやら、○○関連の事業は公共性が高いので融資がおりやすいらしい・・・・」
社会情勢等の外部環境に応じて、融資がおりやすい業種、そうでない業種というのは実際にあります。
また、日本政策金融公庫融資や信用保証協会付制度融資の場合、貸付可能業種と貸付不可業種があります。
しかしながら、やりもしない架空の事業計画書を作って融資を引っ張るなんて真似は当然できません。
以前実際にあった問い合わせは、飲食店をやりたいのだけど、アスベスト関連の事業計画書を作って欲しい・・・と言うものでした。(当時アスベストが社会問題化しており、アスベスト除去を手掛けていた建設業者には、実際弊社のお客様でも良く融資がおりていました。)
しかし、飲食店をやりたいが為に、アスベストの事業計画書を作って融資を引出すなんて不可能です。(そもそも、ウチは行政書士事務所であって、違法な金融ブローカーではありませんので嘘の事業計画なんて書けません。)
仮に嘘の事業計画書なんて作ったところで、「貸すプロ」である日本政策金融公庫や信用保証協会、銀行等の金融機関の人間の目をごまかせるはずありません。
事業計画書と見積もり書、通帳、そして面談・・・融資実行までの過程で嘘をつけば、必ずそのどこかに矛盾点が生じます。嘘がバレれれば、日本政策金融公庫をはじめとした金融機関は絶対に融資しませんし、履歴が残りますので、次回の申込も受け付けてはもらえないでしょう。
よしんば、仮に嘘の事業計画で融資がおりたとしましょう。
しかし設備投資はどうしますか?融資申込みの際に提出した見積書がありますよね?
10万円以下のものに関しては設備投資としての評価を受けませんが、金額の高い設備投資をしたのならば、融資がおりた後で必ず日本政策金融公庫側のチェックが入ります。
アスベスト関連の機材を見積書に出しておきながら、それを買っていない。
それどころか、飲食店をはじめている。
それが知れれば、すぐに融資したお金を返せと言われてしまいます。
→ 詳しくは融資金を返せと言われる人達
しかも、アスベスト関連の事業をやるには特別講習の修了書が必要ですし、工事規模によっては、建設業許可がなければ、融資はおりません。
嘘の事業計画書で融資を引っ張れるほど、公的融資の資金調達は甘くないと言うことを肝に銘じておいて頂きたいと思います。