事業計画書作成にあたり、日本政策金融公庫でも、信用保証協会付融資(制度融資)でも必ず聞かれる部分がこの「必要な資金と調達方法」になります。
必要な資金
日本政策金融公庫等の公的融資機関のみならず、金融機関は「資金使途」についてしっかりとヒアリングをした上で、融資判断を行います。
「何のために」
「どのくらい必要で」
「どうやって調達するのか」
この3点が明確に答えられない方は融資を受けることは不可能です。
よく「借りられるだけ借りたい」と仰る方がいらっしゃいますが、そんな事を口走ると融資はおりませんのでご注意下さい。
資金使途が「設備」の場合には、必ず全て見積書を取っておく必要があります。元々見積書は提出の必要がある書類ですが、見積書を添付することで、「何のために」「どのくらい必要」という部分がかなりクリアーになります。
まずは、仕入先や購入予定先から正確な見積書を出してもらい、その金額と整合性が取れるように事業計画書にも記載して下さい。
※尚、実際に融資がおりた後、購入時になって見積書と異なる金額で設備を購入しても特に問題はありません。(例:見積書では、100万円だったものの、実際に購入した時には80万円だった場合など。但し、あまりにも見積もり金額と実際の購入金額に開きがある場合には、担当者からの指摘が入る事があります。)
設備投資は見積書で、そして運転資金は事業計画を練ることで、大体どの程度の開業資金が必要になるのかはわかると思います。借入申込金額は具体的な数字で示す必要がありますので、必ず合計金額を提示するようにして下さい。
必要な資金は「何となく・・・」ではなく、必ず根拠に基づいていなければ圧縮対象、若しくは融資不可の判断となりますので十分ご注意下さい。
調達方法
次に調達方法ですが、基本的には、下記4方法しかありません。
- 自己資金
- 親・兄弟・知人からの借入
- 日本政策金融公庫からの借入
- 他の金融機関からの借入
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、3番目の欄をいくらにするか?ということになります。
例えば、必要な資金が900万円として、自己資金が300万円、親からの借入が100万円としたら、日本政策金融公庫からの借入は最低でも500万円となります。(制度融資を併用する場合で、既にそちらからの融資が200万円おりているとしたら、日本政策金融公庫からの借入金額は300万円となります。)
「必要な資金」と「調達の方法」に関しては、少なくともイコールか、「必要な資金」<「調達の方法」という関係になっていないと、事業計画が立ち上がらないということになります。必要な資金の方が多くなっており、「調達方法」側の金額が少なくて指摘される方もいらっしゃいますが、そのような凡ミスをしないようご注意下さい。