VCから多額の出資を引っ張ることができるIT・テック系企業によく聞かれる「今は投資フェーズだから赤字です。」との言葉ですが、実際どのくらい許されるものなんでしょうか?
これからプロダクトを作る場合、売上は立たないわけですし、逆に開発費は膨大にかかります。
巨大プロジェクトや時間も労力もかかる新しいアプリやテクノロジー開発ならばそれらは致し方ないことです。
そのプロジェクト規模やVCの投資姿勢(どの程度の投資規模や回収期間を考えているのか)次第で許容範囲も変わってくることでしょう。
しかし日本政策金融公庫や制度融資に出す事業計画や決算書では、そう何年も赤字を垂れ流して許されるものではありません。
例えば創業融資で、返済期間7年で借りているのに、4年も5年も「投資フェーズなので赤字の予定です」と胸を張られても困ります。
当然赤字の規模にもよりますが、計画段階で赤字垂れ流し期間として許されるのはせいぜい6ヶ月〜1年程度。
それ以上の赤字計画の場合、日本政策金融公庫や制度融資では「現実的な事業計画を立てているな」という判断よりも、「完済前に破綻する恐れ大」と警戒されてしまうでしょう。
最初から黒字を出せれば苦労はないですし、そんな事業はそもそも多くありません。
しかしその一方で、耳障りの良い(?)「今は投資フェーズだから赤字・・・」なんて言い訳をいつまでも悠長に聞いてくれるほど、金融機関は甘くはありません。
これは融資であり、返済してもらう必要があるお金なので、ある意味当然です。
現実を見据えて、ある程度厳しい事業計画を自ら提出すること自体は好感ですが、一定期間後はきちんと利益を産み、返済が順調に進む計画に仕立てあげておくようにしましょう。