秋ん東京商工リサーチの記事で、シェアハウスサブリースの(株)スマートデイズが破産へ、との記事が出てました。民事再生は棄却されたようですね。
民事再生と破産の違いの説明は割愛しますが、簡単にいうと、「事業再生はもう無理で救いようがない状態だからさっさと破産しなさい」ってことですね。ま、そりゃそうでしょう。
シェアハウスという居住形態が日本人のスタイルに合わなかったのか、とか、サブリース契約自体、不動産投資の観点からどうなのかという点は置いておいて、この破産劇を招いたスルガ銀行とかぼちゃの馬車の関係にスポットを当ててみたいと思います。
粉飾を「銀行側が」主導?
昔から事業者、即ち融資を受けたい側が決算書をはじめとした計算書類を改ざんして不正に融資を受ける粉飾決算はありました。てるみくらぶの破綻でも粉飾決算からの不正融資コンボはありましたよね。
まあ、粉飾決算は精巧に作られたらなかなか見破るのは難しいのかもしれませんが、融資する側もプロである以上、見抜けないのはマヌケ以外の何物でもありません。
今回のスルガ銀行は意図的に、能動的に書類改ざんを主導した案件もあるようで、非常に悪質です。預金残高を多く見せかけるよう通帳のコピーを改ざんしたらしいのですが・・・せめてもっとうまくやれよ、と(笑)
いや、うまくやれもおかしいのですが、通常見せ金をを作る際には、家族親戚知人から一時的にお金を借りまくって、それこそサラ金も限度額いっぱいまで借りまくって(30日間金利無料キャンペーンとかやっている金融会社も多いので)、自己名義の口座にぶち込むんです。
そうしたら数百万、下手したら1000万くらい「一時的に」口座に入っている状態になるわけじゃないですか。そのタイミングで通帳記帳をしたり、残高証明を取ったりして、残高MAXの証拠書類をとります。
そして借りまくったお金はそのままきちんとサラ金屋や家族親戚知人に綺麗に返します。
見せ金一丁あがりです。
ま、こんなチンケな浅知恵で見せ金作っても普通は簡単に見破られますよ。だって口座がゼロからある突然数百万増えていたら誰だっておかしいと思うじゃないですか。
ですので、こんな見せ金対策も今は普通は通用しないのですが、そんなチンケな手を使う手間すら惜しんで通帳コピーの桁をそのまま改ざんするとは・・・・
なかなか楽しようとしてますねー。
不動産投資は住宅ローンとは違いますので、頭金が必要です。
日本政策金融公庫や民間の金融機関でも不動産投資に対する融資は3割の自己資金、7割の融資という黄金律があります。
いや、収益還元法で物件自体に収益力があればそれを担保として頭金なしで融資受けられるケースもあるよ!と反論されるかもしれませんが、レアケースですよ。普通は自己資金求められるんです。
その辺の基礎知識を知っていれば、投資家の方々が被害に遭うこともこともなかったのですが、残念です。
サブリースという契約方法に問題がある、という記事が多いのですが、私はそれ以前に融資スタンスに対する基礎知識も欠落していたことが一因であると思います。
スルガ銀行は最低でも20件の書類改ざんがあったと報じられていましたが、700人近くの被害者オーナーがいることを考えれば、実際はもっとあるんじゃないの?と勘ぐってしまいます。
最初は「1件くらいなら・・」「すぐすぐ破綻することはないだろう・・・」という悪魔の囁きや甘い見通しがあったんじゃないですかね。
それがどんどん数が増え、金額も増え、かぼちゃの馬車を運営するスマートデイズも手を緩めることなくイケイケでガンガン持ってくるもんだから「さすがやばい・・・・」と思って貸し渋りをスタート。
貸し渋ったことでスマートデイズのキャッシュフローは一気に悪化。そこで銀行は損切り。ただし、自身の不正融資も白日の下にさらされることになったと。
なんとも銀行らしい動きと言えるのではないでしょうか。
フィンテックの台頭や銀行間の競争も激化し、カードローンやアパートローンも金融庁からの規制の嵐。
金融業界も大幅なリストラを断行している状況で、数字を上げなければならない苦境。
スマートデイズと共に(利用して?)利益をあげようと目論んだのかもしれませんが、結果は大誤算となってしまったようですね。
スルガ銀行の株価も直近1年で見ると半額以下に暴落してしまいました。
融資自体が不正でなければ、積極的にベンチャーを応援した結果、、、で済んだ話かもしれませんし、そもそもスマートデイズも破産しなくて済んだかもしれません。
もちろんオーナー達の被害もなかったかもしれません。(投資は自己責任ですが)
自社のここまでの株価暴落もなかったかもしれません。
銀行、投資家、企業、全員ルーズ(負け)となってしまいましたね。関係ないのに巻き込まれたのスルガ銀行の株主も気の毒です。
あ、不動産仲介会社が抜けてましたね。不動産仲介会社も今後厳しくなっていくでしょうね。致し方なし。
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