2018年あけましておめでとうございます。
年明け早々、成人式の当日に振袖レンタル・販売会社である「はれのひ」が破綻するというニュースが報じられています。
東京商工リサーチによると2016年9月期は3億6000万円の赤字で、負債総額は6億1000万円にのぼっていたとのことです。
私も知らなかったのですが、好きな振袖を着るために18歳の頃くらいから、つまり実際にサービスの提供を受ける2年前に申し込みをすることも最近では多いらしいのです。
こうなってくると昨年事業破綻した格安旅行会社と同じモデル「預かり金ビジネス」なわけです。
身の丈に合わない経営をしていたことは間違いないでしょうが、この預かり金ビジネスは、経営者が自分のお金と預かっているお金(他人のお金)を厳格に、正確に分離させておくことが必須です。
自分のお金は利益剰余金だけです。
お客様から預かっているお金はもちろん、銀行からの融資金、消費税や源泉徴収税、社会保険料、取引先への未払金など、自分のお金ではないものの方が多いのです。
自社名義の口座に1億円入っていても、利益率10%のビジネスをやっているとしたら(十分利益率は高めだと言えます)、実際の自分のお金(使えるお金)は1000万円だけなのです。
それを勘違いして額面通り1億円全てが自分のお金と思い込み、私腹を肥やすために浪費したり、無謀な投資をしたりしては、早晩自転車操業に陥り、経営難となります。
多くの経営者はきちんと厳格に認識し別管理していると思います。しかし、使い込みまでしないとしても、口座の見た目の数字に安心してしまい、経営や集客に対する気が緩んでしまうことくらいはあるかもしれません。そうなっては絶対にダメなのです。
預かり金ビジネスの場合、被害は最大化する
世間からは計画倒産だ!と言われています。確かに計画倒産だと思います。
しかし、「結果的に」計画倒産のように見えるだけで、実際は預かり金ビジネスは限界ギリギリまで自転車操業を続け、最終的にもうどうにもいかなくなって、損害を最大化した時点で破裂します。
自分のお金ではないけど、口座にお金自体はある。だから目先の支払いをしてしまう。それは自分のお金ではないのに。
そうして日々お客さんもくる。入金もある。利益は出てはいないんだけど。
事業をやめるとしたら、お客さんから預かっているお金に手を付ける前。
でも、営業をやめるとその更に前にお金を受け取ったお客さんに迷惑をかけることになるから、新しいお客さんをとっていくわけです。
その間に業績が好転して起死回生できれば問題は明るみに出ないのでしょうが・・・・まあそんなことはなかなかないわけです。
お客さんのお金に手を付けているくらいですから。
預かり金は非常に曲者です。禁断の果実のような、手を付けてはいけないけど誘惑に負けてしまう。そんな性質のものです。
必ずしもお客さんから預かっているお金だけが預かり金ではありません。別サイトにも書いているのですが、消費税に潰される会社だって多いんですから。
自分のお金とそうじゃないお金。厳格に分けて管理しましょう。
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