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自己破産とは?

抱えた負債の返済のめどがたたずにどうしようもなくなってしまったときの選択肢としてよく知られているのが自己破産です。しかしその一方では「借金を帳消しにしてくれる制度」というイメージも強く、安易に利用を検討するケースも少なくありません。実際に利用する際にはメリットとデメリットの両方を踏まえておくほか、実際にどのような形でこの処分が行われるのかを知っておく必要があります。

「借金を帳消しにしてくれる制度」という点は基本的には間違っていません。ポイントとしては裁判所の決定によって支払いが不可能であると判断された場合に債務を返済する義務が免除されることになります。ですから本人は返済することができないと思っていても裁判所が十分可能と判断した場合には認められないこともあります。

またすべての債務が免責になるわけではなく例外もあります。それは税金です。そのため税金を滞納した状態で自己破産が認められ、借金が帳消しになったとしても未払いの税金を支払う義務は残ることになります。税金を滞納したうえで計画的に自己破産する、といったやり方は通用しないわけです。

さらにどうしても借金が返済できない状態になったら必ず自己破産が認められるわけではありません。どのような事情でお金を借りたのか、これまでどのようなお金の使い方をしてきたのかが評価され、場合によっては帳消しが認められない「免責不許可」の決定が下されることもあります。おもにギャンブルや浪費による多重債務に陥った場合にこうしたケースが見られます。

もうひとつ、自己破産の重要なポイントとしては所有している財産を手放す必要があることです。人から借りたお金を帳消しにしようとしているのに自分は財産を所有したままこれまでどおりの生活を続ける、というわけにはいきませんから、売却・処分によって返済に充てることになります。どこまで残すかは財産の価値や生活環境にもよりますが、原則としては20万円以下が基準となります。ただそれ以下でも装飾品などは処分の対象となるのが一般的です。

自己破産をしても職場に知られる危険はほとんどありませんし、家族にも影響はありません。これまで負債や返済の督促に脅かされて生活してきた方にとっては心機一転人生をやりなおす良い制度ともなるでしょう。ただし信用情報に傷がつく(ブラックになる)ことで5~10年間は金融機関からの借り入れを受けることができない、免責決定を受けるまで警備員などの職業につけないといったデメリットがあることも覚えておきましょう。

自己破産体験記

オリコからショッピング枠とキャッシング枠合わせて150万円を目一杯借りている状態となり、みずほ銀行から100万円、消費者金融のスタッフィから30万円の借り入れがありました。他にも3社からのクレジットカードリボ払いがあったので、合計で500万円ほどに借り入れ総額が増えてしまいました。

2011年3月時点では200万円程度でしたので、2014年2月までの3年間で300万円借り入れが増えた計算になります。

オリコへの返済額が月36000円、みずほ銀行へ20000円、スタッフィへ6000円その他クレジットカード支払いで月の返済額が10万円前後でした。最も低い金利のみずほ銀行で14%、最も高いスタッフィで27.6%の状態となっていたので、返済をしても元金の減り方が少ない状態と感じていました。余裕が無くなってくると、生活に追われて借り入れ状況を把握することすら難しくなっていたことが悔やまれます。

2011年の2月に今までの職場を退職して有給休暇消化に入り、2011年4月から新しい職場で主任として勤務する内定が降りていました。しかし、2011年3月に起きた東日本大震災により内定が取り消しとなり転居済みだったので、派遣として働き始めるまでの半年間生活費が不足しました。生活費として借りては返しを続けつつ、派遣社員として働いても以前より給与が少なく仕事も不安定で借金が雪だるま式に増えてしまったのです。

既に利用可能枠を使い切ってしまい、貸金業法改正に伴い消費者金融やクレジットカードのリボ払い枠が凍結されてしまったので、みずほ銀行カードローンへの支払いが出来なくなっていました。最初に督促から保証会社への代位弁済が行われて、みずほ銀行の保証会社となっていたオリコの保証部門から簡易裁判所への訴えが起こされました。訴状を受け取って真っ青になり、弁護士へ相談しなければならなくなりました。

弁護士へ債務整理の相談に向かうと、親身になって相談に乗ってもらえて生活資金として使用していたことから、自己破産が適していると判断されました。正式に依頼して費用を工面している際に、スタッフィに対しては過払い金が発生していることが分かったので、過払い金返還請求訴訟を起こすことで返還されたお金で自己破産の弁護士費用は賄えることになったのです。申立書を作成して自己破産申請を行い、3ヶ月ほどで免責決定が下りました。

突然の失業に対しても、借り入れを行うことで何とか食い繋ぐことは出来ましたが、結果として借金額を増やしてしまうことになりました。年収を上げるために転職を決意したことと東日本大震災が重なったことは不運とはいえ、派遣スタッフとして働くことを決意するまでに時間がかかってしまったことは後悔しています。弁護士へ相談に行った時に分かったこととして、携帯電話料金は分割払いせずに頑張って一括購入しておけば携帯電話を失うことが無かったはずです。現在はMVNO通信事業者の格安simを利用していますが、就職時に影響するので連絡先を失わないように気を付けることが大切だと気づかされました。

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