損益計算書は、事業年度ごとに会社が得た利益を計算したものです。
会社の利益は、売上金から経費を差し引いて計算します。
このように書くと簡単に計算できるように思えますが、正しく利益を計算するのはそんなに簡単なことではありません。
利益にはまず、本業である商品やサービスを販売して受け取った代金である売上総利益があります。
そして売上総利益率から従業員の給与、事業所の賃料、車や機械などのリース料といった経費を差し引いた利益である営業利益を計算します。
次に、投資など本業以外の利益と支払額を営業利益に加えた経常利益を算出します。
必要な利益があげられなかった場合は、保有している株や不動作などの資産を売却して利益に回しますが、そのお金も加えて、最終的に当期利益が算出されるのです。
つまり本業の売上金から経費を差し引き、本業以外の売上または損失を加え、さらに資産を取り崩して利益を出した場合も取り崩し分を加えた額が、その事業年度の利益ということになるのです。
このため実際の売り上げが赤字であっても、資産を取り崩して補填したので表面上は黒字になっているケースも多くあります。
このような場合は、いくら黒字であっても健全な経営が行われているとは言いにくいのです。
このように売り上げなどの収益から経費などの費用を差し引いた利益を経営成績と呼んでおり、その会社の収益力がどのくらあるかを計る基準となります。
金融機関は、経営成績が良好な企業に融資したいと思っています。
損益計算書で利益が出ていても、資産の取り崩しがあるなど損益計算書の内容によっては、融資を受けられないケースもあります。
損益計算書を見るポイントは主に次の5つです。
(1)全ての項目で利益が上がっており、しかも前年よりも利益が上がっている。
この場合は、経営成績が良好であるため、融資が受けやすくなります。
しかし、
(2)売上総利益が減している
(3)売上総利益は前年より上昇したが、営業利益が前年より少なくなっている
(4)営業利益がマイナス
(5)営業利益が黒字で、さらに経常利益の収益を上回っている
これらの場合は、経営内容を確認される場合があります。
特に(5)のケースで、金融機関から借りているお金の支払利息が経営を圧迫している場合は現在の経営状況を根本から見直す必要があります。