資金繰り表とは、今後予定されるお金の出入りを記入して、お金が足りなくなる時期などをひと目で分かるようにするための一覧表です。
事業では仕入れ金の支払いや、商品の代金などの入金といったお金の出入りが日常的に発生します。
このお金の出入りを把握しておかないと、資金不足を起こしたときに処理ができません。
黒字倒産という言葉があるように、無借金経営をしていても入金と支出のタイミングが狂うと、手形や小切手が決済されず倒産の危機に直面することもあるのです。
資金繰り表を作っておけば、○月○日の支払日までに500万円が必要だが前日までに入金されるお金は400万円だから、100万円の資金を別に準備しなければいけないなど、資金を準備するべき時期や金額が前もってわかるので、借り入れをするなどの対処ができます。
経営者なら、少なくとも3か月後までの資金繰り表を作成しておくべきです。
このように資金繰り表とは、入金と出金を明確にして収支のバランスを前もって把握するためのものです。
ですから業績が優良な会社の場合、資金繰り表を作らなくても支払いが滞る可能性は低いのではないかと考えられます。
しかし経営が順調であれ、不調であれ、常に資金繰り表を作成しておくことが必要です。
なぜなら企業の取り引きでは振り込みなら支払日や入金日が月に1度、手形の場合は数カ月に一度など、一定期間ごとに行われるのが一般的だからです。
売掛金、買掛金は発生した時点で帳簿に記入されますが、実際にお金の支払い・入金があるのは後日となります。
したがって売掛金の未収が多いと帳簿上では利益が上がっていても、実際の回収が支払いに追いつかないこともあるのです。
売り上げの低迷などで資金繰りが思わしくない企業の場合は、借り入れの相談をスムーズに行うためにも、資金繰り表は不可欠となります。
資金繰り表を作るときには、正確な予測に基づいて入金と出金を記入することが大切です。
資金繰りが実際の入出金状況を反映していなければ、意味をなしません。
資金繰り表はこれから入ってくるお金と、出ていくお金が分かるように作ればいいのですから、まず、入金と支払いの日時と金額を洗い出します。
このほか、定期預金の満期日、借入金の返済日などお金の出入りの全てを記入します。
正確な資金繰りの予想で最も難しいのが、売上金の予測です。
締め日が過ぎて請求書の作成が終わっている取り引きはいいのですが、まだ実際に取引が行われていない3か月後の売上高を正確に予測するのは困難です。
例年の売上高推移を参考に、現状を考えあわせて現実的な売り上げ予測をたてましょう。