「保証人には絶対になるな」が家訓だという家は少なくありません。保証人になると将来、金銭的な負担に苦しむ危険があるからです。
しかし、保証人にならない方がいいとはわかっていても、義理や人情などのしがらみがあり、どうしても断れない場合があります。
そのときでも連帯保証人になるのは、可能な限り避けることをおすすしめします。
保証人と連帯保証人では、保証の重さが全く違うからです。
保証人とは、お金を借りた人が返せなかった場合に、その人の代わりに借金を肩代わりすることに同意した人をいいます。
つまり、お金を借りた本人がお金を返すのが本筋ですから、資金繰りが厳しくても家を売るなどして自分の借金は自分で支払うべきだとする考え方がベースになっています。
そしてどんなに努力をしても返せない場合に、保証人が借金を肩代わりするのです。
このため保証人には検索の抗弁権や、催告の抗弁権といった権利が与えられています。
催告の抗弁権とは借金をしている本人が破産しておらず、行方不明にもなっていない場合、まず本人からお金を取り立ててくださいと言って、支払いを拒否できる権利です。
検索の抗弁権とは借金をしている本人の財産や収入がまだ残っている場合、それによって借金を返済するまでは、保証人がお金を払わなくてもいい権利です。
検索の抗弁権を行使するためには、借金をした本人が借金を少しでも返せるだけの財産があることを証明しなければいけません。
また、残りの借金に関しては、支払い義務が生じるのが普通です。しかし、基本的な考え方は、まず借金をした本人がからお金を返してもらうというものです。
ですが連帯保証人の場合は、このような考え方は通じません。借金をした人がお金を返さなかった時点で容赦なく返済の催促がきます。
さらに連帯保証人には検索の抗弁権も、催告の抗弁権も与えられていません。
借金を肩代わりできるだけの資力があれば別ですが、たちまち借金を背負うことになります。
特に起業を考えている人や会社を経営している人の場合は、連帯保証人になると会社経営に大きな支障を来す可能性があります。
営業資金は少しでも余裕を持たせておく必要がありますし、金融機関が融資を渋らないようにお金関係のトラブルは極力なくすのが得策です。
借金を肩代わりするために、高利のお金を借りてしまったというケースも多くみられます。
将来のことを考えて、連帯保証人になる場合は石橋をたたき割るほど慎重に判断しましょう。