日本政策投資銀行とは、日本政府の出資により設立された特殊会社で、長期的な資金の融資を行なう金融機関のことです。
日本経済の活性化を目指し、企業活動を支えるための潤沢な資金供給を行なうことで、経済発展に貢献することが主な目的です。
日本政策投資銀行は他の民間金融機関とは異なり、日本政策銀行法に基づいて融資業務を行ないます。
政府系金融機関であることから、信用力が高く経済活動を営む企業が必要な融資を受けやすいよう政府による管理が行われています。
日本政策投資銀行の総資産高は16兆2069億円で、融資総額が13兆9630億円となっており、財政の健全性が保たれています。
東日本大震災により、被災した企業の多くが資金繰りに行き詰り、倒産が相次ぐ事態に陥りましたが、日本政策投資銀行法の改正により、特別な財政援助が実施されることで、復興に向けた資金援助を活発化させたことでも知られています。
本来は政府が100パーセント出資する公的金融機関として発足しましたが、小泉改革による骨太の方針により民営化されました。
民営化後は財政投融資一体型のサービスを提供し、企業活動に必要な融資や債務保証を行なっています。
この日本政策投資銀行による融資を受けるためには、企業の事業計画を提出し審査に通る必要があります。
融資に当たり事前相談も受け付けているため、融資を受けられるようにするにはどのような事業計画を立てるべきか、企業の財務状況について望ましい基準とは何かとった情報を共有し、綿密な話し合いが必要になります。
企業に対する融資額に上限はないため、将来的にポジティブな展開が望める企業に対しては融資を惜しみなく行ってくれるという特徴があります。
長期的な運転資金を確保する点で、日本政策投資銀行は信頼性の高い企業とみなしてよいでしょう。
そして注目できる別の点は、環境活動に力を入れている企業に対し、金利を優遇する政策を実施していることです。
エコ社会に貢献することを事業計画に盛り込み、環境活動においても努力を払う企業に対しては貸出金利を1%優遇しています。
具体的には、CO2排出量を5年以内に5%以上削減する企業が対象になります。
多額の資金が必要な場合、民間の金融機関からの借入が難しいこともありますが、日本政策投資銀行は成長する可能性のある企業に対して積極的な融資を行なっているため、ベンチャー系企業などの若手経営者にとって頼りになる存在となっています。