融資を受ける際には保証人を立てる必要があります。
融資を得る際の信用取引においては保証人を無くして融資を受けることはまずできません。(絶対とは言えませんが、多くの場合、連帯保証人不要の融資制度でも結局は連帯保証人をお願いされることは多いです。)
日本特有の制度に連帯保証人制度があります。
連帯保証人とは、正確にはどのような立場の人を指すかと言いますと、法律上の連帯保証人とは抗弁権のない保証人のことを指します。
抗弁権とは保証人となった人が万一債務を負うことになった場合、債務者に対して借金の返済をするよう督促できる権利のことを指します。
また債務を必ず返済しなければならないという責務がないため、保証人となった人が経営に失敗して債務の返済が求められたとしても、それを拒否することができます。
連帯保証人の場合、保証人と異なり抗弁権がありませんから、万一債務者が多額の借金を背負って債務を支払えなくなった場合、否が応でも借金を代わりに返済する義務が生じます。
連帯保証人は万一のリスクが非常に大きいため、なりたがらない人が多いのも事実です。
しかし融資を受ける際に連帯保証人にならなければ融資が受けられない場合、仕方なく配偶者や親、親族などが連帯保証人にならざるを得ないケースもあります。
連帯保証人は例えば賃貸契約を結ぶ際の家賃の滞納を防ぐためであったり、住宅ローン融資を受ける際に確実に返済してもらえるようにするためだったりと、個人融資に関わる契約の際に求められるのが一般的です。
かつては銀行から融資を受ける際には連帯保証人が求められるケースがあり、親兄弟、親しい友人が連帯保証人となる事例が多くありました。
しかしバブル崩壊後、資金繰りが悪化した企業の多額の借金返済を連帯保証人が行わなければならなくなり、失踪や自殺といった事件が相次いだことから、法人に対する融資においては連帯保証人の設定を第三者には行えないという法律が制定されるようになりました。
そのため現在ではかつてのような痛ましい事件が起きることはなくなりました。
しかし融資の際には必ず連帯保証人が求められるのは今も同じです。
かつてと大きく異なるのは、連帯保証人は融資を受ける会社の経営者に制限されるようになった点です。
信用保証協会による公的保証を受ける場合においても、経営者が連帯保証人として融資契約にサインと捺印をすることが求められています。
企業経営者が連帯保証人となるため、経営戦略をしっかりと立てるだけでなく、債務の返済計画も整える必要性があり、企業経営者にはより強力なリーダーシップが求められています。
参考:連帯保証人にはなるな!