起業や会社経営に伴う融資を受ける場合、銀行に融資を申し込むのが一般的です。
しかし銀行からの融資を受けられない中小企業も少なくありません。
理由として担保がなかったり、収支が悪化して融資ができる対象と判断されなかったりすることが挙げられます。
そのため国が中小企業の経営をバックアップするため融資を行なう第三者機関の設立を行なうことになりました。
それが日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫の実態についてはあまりよく知られていない点もあるため、日本政策金融公庫とは?と尋ねる人が少なくありません。そもそも日本政策金融公庫はどのような業務を行なっている機関なのでしょうか。
日本政策金融公庫とは、商工会議所や商工会とのパートナーシップを結び、小規模事業所の経営支援を行なったり、農業や漁業に携わる方への資金援助や、国民生活に必要な資金の貸し付けを行なったりする政府系金融機関のことです。
日本政策金融公庫は株式会社化されているため、見た目は一般金融機関のように見えますが、政府主導の行政改革により設立されているため、政府系金融機関とみなされています。融資対象は幅広く、貸付高は日本政策金融公庫全体で約29兆円に上ります。
日本政策金融公庫は主に三つの事業を柱としています。
それは国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業です。
国民生活事業とは個人事業主を含む零細企業を対象にした融資を行なう事業を指しています。
景気の悪化に伴う資金繰りに悪化により倒産を防ぐための資金提供や新たに起業する際の運転資金を融資する新企業育成貸付があります。
また銀行からの融資を断られた事業者向けに担保不要で融資する制度や、低所得者向けの学資ローンなども提供しています。
それぞれ低金利での融資となっており、円滑に企業活動ができるための資金提供を行ないます。
中小企業事業とは中小企業の経営を支えるための資金供給を行なう事業を指します。運転資金の融資や雇用を促進するための準備金の融資など、国の政策に連動した大胆な融資制度を設けています。
災害時の貸付制度などもあり、万一の事態に備えるための役立つ融資制度を設けているのが特徴です。農林水産事業は、農家や漁師が設備投資を行なったり、事業拡大を目指したりするときに必要な資金を低金利で融資する事業です。
農業や漁業のほかに畜産業や乳業も対象になります。なおこれらの融資制度に関する相談窓口も設けられており、いつでも相談することができます。