エクイティーとは資本のことを意味しますが、「疑似エクイティー」という言葉の意味を知るには、デッド・デッドスワップについて説明するのがわかりやすいでしょう。
デッドとは負債のことであり、デッド・デッドスワップとは、簡単に言うと負債と負債を交換することです。
負債といっても優劣があります。優先的に返済しなければならない負債を、後回しにしてもよい負債の位置に持ってくることをデッド・デッドスワップと言います。
この手法は、金融機関から融資を受ける企業が業績不振などで返済が困難になった時の救済措置として使用されます。
なぜなら、返済順位がいちばん後回しにされる負債は、事実上、資本金として見られるからです。このことは金融庁の金融検査マニュアル別冊にもあります。
企業にとっては負債は負債であることに変わりませんが、返済を考えてなくてもよい負債ということで、経営に集中できるわけです。
金融機関では、デッド・デッドスワップの対象になった債権は、資本として管理されます。債務償還年数の計算からも除外されます。
ただ、資本のように見えて実際は負債であるため、「疑似」という言葉が付き「疑似エクイティー」と呼ばれるのです。
中小企業の救済措置としてよく適用されます。