資金繰りは会社に入ってくるお金と出ていくお金を管理して、経費等の支払いに対応できるようにすることです。
支払いに必要な現金がない場合には、資金調達をしなければなりません。
資金調達がスムーズにいかないと不渡りを出して、信用が損なわれ経営が悪化してしまいます。
最悪の場合倒産することもあります。また、損益計算書上では黒字であっても仕入れの代金を支払えず黒字倒産するということもあります。ですから資金繰りをきちんと行うことは非常に大切なことです。
資金繰りを円滑に行うためには資金繰り表を作成して管理するのが一般的です。
資金繰り表の作成は義務付けられているわけではありませんが、資金繰り表を作成していると、資金不足になる状況などをあらかじめ把握できるので、資金がショートする前に早期に対処できます。
また、将来的に資金に余裕がある状態になれば、早めに事業の拡大などに着手でき効率的に事業を行っていくことができます。
資金繰りを円滑に行うために、月次資金繰り表でこの先1年間の資金繰り計画を見ていきます。
資金が少なくなりそうな月があれば事前に対策をとります。現金預金は年商の3ヵ月分を確保しておくのが理想的とされています。
資金繰りが苦しい時に取り組むべき優先事項
資金繰りが苦しい時には、融資を受けている金融機関にリスケジュールを申し込みます。
申請に際しては試算表や資金繰り表の提出が必要です。また、申し込み後に経営改善計画を策定する必要もあります。
改善計画は認定支援機関の援助を受けて策定することができます。
資金繰りが苦しい時には役員報酬を引き下げも検討が必要です。
経営が著しく悪化したという理由であれば、減額が全額損金として認められます。
役員報酬の減額は金融機関から求められることもありますが、自主的に減額をすれば金融機関に与える印象もよくなります。
その他に延納制度を利用も可能です。
延納制度では、期限までに税額の2分の1を納めれば残額は5月31日までに納めることができるというものです。
この場合は年7.3%と特例基準割合の低い方の割合の利子税がかかります。特例基準割合は平成27年度と28年度の場合は年1.8%でした。
仕入れ先や外注先に対して支払いの延長をお願いすることも必要になります。
在庫を適正に保つことも必要で、滞留在庫や不良在庫があることがわかったら早めに処分しましょう。
また、過剰な設備投資が原因で資金繰りが悪化している場合は、遊休資産や低収益の資産を売却する必要もあります。