相続税支払資金ローン(相続税支援ローン)は、相続税を支払うための資金を借りることができるローンです。
遺産を相続し、相続税がかかる場合は被相続人が亡くなった翌日から数えて10ヵ月以内に一括で支払わなければなりません。
不動産を相続した場合には、それを売却して相続税に充てることが多いですが、不動産が売れず期限内に相続税を納付できそうにないという場合があります。
そうなると、やむを得ず安売りして納付したり、期限後に納付して延滞税を支払うということになります。
そのような状況を回避するのに利用できるのが相続税支払資金ローンです。
たとえば、東急リバブル社には「相続税の立て替え融資サービス」があります。
このサービスでは、相続税納税額や納税に必要な費用を立替えてもらうことができ、限度額は1億円以内で、立替払期間は最長1年間です。
立替期間61日以上の時には抵当権設定仮登記仮登記が必要ですが費用は同社が負担します。このサービスを利用するには、同社の売却保証システムである「リバブル売却保証」を利用する必要があります。
この保証は、不動産を一定期間内に売却できなかった場合に、あらかじめ合意した金額で同社が購入するというものです。
また、住友不動産販売には三井住友銀行と提携した相続税立て替えサービスがあります。
融資額は最大3億円、融資期間は1年以内です。抵当権設定仮登記が必要で、費用は売り主の負担となります。
不動産会社が行っている融資の他に信用金庫や銀行が販売している相続税支払資金ローンもあります。
たとえば、埼玉縣信用金庫の「さいしん相続税サポートローン」がその1つです。
「さいしん相続税サポートローン」に申し込めるのは、継続的に安定した収入がある20歳以上の相続税納税義務者です。
本人に安定した収入がない場合は、収入がある同居家族が連帯保証人になれば借り入れができます。また、埼玉縣信用金庫の事業区域に住所があるか住んでいる方、あるいは区域内の事業所に勤務している方に限られます。
使途は相続税納付資金と登記や申告のための費用です。限度額1万円以上1,000万円以内、融資期間は6ヶ月以上20年以内です。
横浜銀行には「大型フリーローン相続関連資金」という商品があります。
申し込めるのは20歳以上で、団体信用生命保険に加入する場合は完済時に82歳未満の方です。使途は相続税支払資金とその他の相続に関連した資金です。
また、他の金融機関から相続税支払い資金等として借入れていたお金の借り換えとしても利用できます。
限度額は3億円以内、借入期間は証書貸付が20年以内、手形貸付が1年以内です。