小規模事業者の経営をサポートするための制度
小規模事業者にとって資金繰りは経営を続ける上での最大のテーマです。
経営が厳しく安定した経営を行っていくうえでの資金が不足しがちといったよく見られるケースだけでなく、新規事業への拡大や販路開拓といった、ビジネスチャンスを活かすための資金を思うように確保できないという悩みもついてまわります。
せっかくビジネスチャンスを見いだしているにもかかわらず、資金力が不足しているために活かすことができない、そうしたケースも決して少なくないのです。
せっかくのチャンスを活かせなければ、いつまで経っても資金繰りに苦労させられることになりますし、小規模事業者からワンランク規模を拡大する機会も得られません。資金が不足しているためにいつまでも資金が不足し続ける状況になってしまう、そんな悪循環に陥ってしまう恐れもあるわけです。
小規模事業者持続化補助金とはこうした資金の問題を抱えがちな小規模事業者の経営をサポートするための補助金制度です。最大のポイントは経営を持続・発展のために必要な資金を補助してくれることです。
つまり経営が悪化してどうにもならないからお金がほしい、ではなく、新規事業の立ち上げや販路開拓といったより積極的な用途でお金を必要としている企業が対象となります。
制度を利用するための条件
融資ではなく補助金なので返済する必要がない、というのがこの制度の最大のメリットです。小規模事業者にとっては貸付制度や融資制度は資金調達に役立っても返済の難しさが付きまとうものですが、補助金ならそうした心配もないので最高の資金調達の方法といえるでしょう。
ただ小規模事業者なら誰でも利用できるわけではなく、定められた条件を満たす必要があります。
まず基本中の基本となる「小規模事業者」の定義。これは常時使用する従業員の数によって決められますが、業種によって違いが見られます。「卸売業、小売業、サービス業(宿泊行・娯楽業以外)」では5人以下、「サービス業のうち宿泊業・娯楽業、製造業その他」では20人以下です。
さらに申請の際には「経営計画書」を作成する必要があります。どういった理由で補助金が必要なのか、どのような用途で使用するか、補助金を受け取れるに相応しい経営状況にあるか、といった内容も盛り込んだ上で提出することになります。
補助限度額
補助限度額も用途によって異なります。販路開拓では50万円まで、雇用の増加・従業員の待遇改善などでは100万円、複数の事業者が連携して共同事業を行う際には500万円までとなっています。利用の際にはこうした限度額も視野に入れたうえで検討していくことになるでしょう。