でんさいとは？
でんさいとは電子記録債権のことで、事業者がスムーズに資金調達が行えるよう、2008年12月に電子記録債権法が施行され、でんさいネットが管理運営を行っています。決済で使われる手形は、作成や保管にコストがかかる上に紛失や盗難のリスクがあり、分割ができないという欠点があります。また売掛債権にも二重譲渡のリスクや、債権の譲渡に対抗するために債務者への通知などの手続きを行わなければいけません。
電子記録債権は、これらの課題を解決した新たな債権です。手形と比較した場合の支払い側のメリットは、
インターネットからデータを送信するだけで発行手続きが完了するので、事務作業の効率化が図れることです。さらに郵送する必要がなく、印紙税の課税対象外なのでコストも軽減できます。受け取り側にとっても集金が不要、取り立てや割引の際の持ち込みが不要。譲渡・割引の分割が可能。受取証が不要なので印紙代の節約になる。盗難・紛失のリスクがないといったメリットがあります。
でんさい取り引きを行うにはまず、でんさいネット及び金融機関と取引契約を行います。その後でんさいネットに発生記録を入力すれば、でんさいという債権が発生します。さらにでんさいネットに譲渡記録を行えば、取引先にでんさいを譲渡できます。支払期日がくると、自動的に口座から資金が引き落とされ、取引先の口座へと払い込まれます。支払いが完了すると支払等記録として記録されるので、事務手続きは不要です。手形と違って、納入企業は支払期日の当日から資金を利用できるメリットがあります。
でんさい割引とは
でんさい割引とはでんさいを金融機関に譲渡し、支払期日より前にでんさいの債権金額を受け取れるサービスです。割引料と手数料が必要ですが、資金繰りが厳しくて手形の支払期日まで待てないときに、資金調達のために利用できるので便利です。
でんさい割引を導入すれば、ペーパーレスで債権の割り引きが可能になります。たとえば500万円の資金が必要なときに、でんさいの債権金額が1,000万円あった場合、500万円分だけ分割して割り引いてくれます。
利用は金融機関のインターネットバンキングを使って行われるのが一般的です。金融機関によって手数料など細かなサービス内容は異なりますが主にでんさいの発生記録、譲渡記録（手形の裏書譲渡と同様のサービス）、分割記録、第三者の保証をつける保証記録、変更記録、支払い等記録、開示、割引、担保などの取り引きが行われます。このうち割引と担保に関しては、銀行の審査に通らないと利用できません。
