リーマン・ショック後の連鎖倒産を防ぐ、時限措置
中小企業円滑化法とはリーマンショック後、中小企業が連鎖倒産を起こさないための緊急措置として2009年12月に施行された時限立法で、2013年3月31日に終了しました。
リーマンショックの影響で資金繰りが厳しくなった中小企業に対し、金融機関が貸し渋りや貸し蜑揩ェしをしないための処置で、金融機関は債務返済に苦しむ中小企業に対して、できるかぎり返済しやすいよう応じることを努力義務として定めたものです。
正式名称は中小企業者に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律といいますが、一般的には中小企業金融円滑化法、円滑化法などと呼ばれています。
この法律が施行されると中小企業は一斉に金融機関に返済期間の引き伸ばしや金利引き下げを申し込みました。金融庁の調査によると、2013年3月末までに中小企業円滑化法を利用した中小企業の数は407万5,064件。金額は112兆3,490億円にのぼり、申込数に対する認可率は93.3%と高い数値を示しています。
中小企業金融円滑化法のメリットは、中小企業にとってはリスケジュールや金利の引き下げなどが行われるので資金繰りが楽になること。そして条件を変更することで資金に余裕が生まれ、そのお金を事業費に回せることです。
一方の金融機関にとってもメリットがあります。まず、貸し出したお金の条件変更を行った場合、本来ならその企業の評価を下げますが、中小企業金融円滑化法では評価を下げる必要がないとされているため、これらの貸し出しは不良債権とはみなさず、貸倒引当金を積まなくてもよいことです。また、この措置によって融資先の資金繰りの負担が軽くなって事業が上向きになれば、倒産による貸し倒れを防げるというメリットもあります。
中小企業円滑化法終了後のリスケジュールはどうすればいい?
中小企業金融円滑化法は2013年3月末日で終了しました。では現在、資金繰りに苦しんでいる中小企業はどうすればよいのでしょうか。
事業主は経営改善計画を作成し、リスケジュールや金利引下げなどの措置をとってもらうよう金融機関と交渉する必要があります。経営改善では徹底的なコスト削減が求められますから、採算の取れない部門の撤退、リストラなど苦渋の選択を迫られることもあります。
国や地方自治体の補助金などの活用も検討しましょう。独力では経営改善が難しい中小企業に対して、経営改善計画の策定支援や、資金繰り支援などを行っています。中小企業再生支援協議会や、経営改善支援センターに問い合わせてみましょう。