創業・新事業を行う企業に対する特例制度はいくつかの種類がありますが、資本制ローンとは「商戦支援資本強化特例制度」という別名がつけられているように、海外発展や事業再生なども対象となっているのが特徴です。
その名前の通り「挑戦的」な、つまり少なからぬリスクが伴う事業展開に対してそれを支援するのが目的となっているのです。
この制度を利用する条件は2つ用意されており、いずれかを満たしている法人、もしくは個人企業であることが求められます。
まず一つ目は特定の融資制度の対象であること。「新規事業資金」「女性、若者/シニア企業家支援資金」「再挑戦支援資金」などです。広い意味でも挑戦的な、リスクが伴う事業に対する融資制度がおもな対象となっているのが特徴です。
もうひとつはその他の条件として地方経済の活性化にかかる事業を行ったうえで税務申告を一期以上行い、原則として所得税を完納していることが求められます。こちらには地方経済の活性化を目的としているのが特徴です。
こうした条件を満たしたうえで特例が求められると最大で4000万円の融資を受けることができます。
ポイントはこの融資制度単独で融資を受けられるのではなく、先述した融資制度をはじめ、利用している制度の融資額にプラスして新たな融資を受けることができることです。この点は「資本強化特例制度」の名称に相応しいものといえるでしょう。
挑戦的なビジネスを行う際にはどうしてもコストがかかりますし、経営が軌道に乗るまでに時間がかかるものです。その間に持ちこたえられるだけの資本力を強化することで中長期的な業績アップが期待できるようになるわけです。
返済期限は5年1ヶ月以上、15年以内。ポイントは返済方法で期限一括返済の形をとっています。ただし利息のみ毎月返済する形です。
もうひとつ、利率が利益率によって決められる点も大きなポイントです。しかも決算の状況に応じて毎年変更されます。
簡単に言えば業績がよくて利益を上げていればいるほど金利が高くなるということになります。プラス貸付期間(返済期間)が4段階に分けられており、それぞれに合わせて金利が設定されます。こちらは当然ですが貸付期間が長くなればなるほど金利が高くなります。
このように、リスクが高いビジネスにチャレンジする際に必要な資本力を強化することができる優れた制度です。資金力の問題で新事業に踏み切れずにいる事業者にとっても心強い味方となってくれるでしょう。