食品貸付とは広く食品関連の企業を対象に日本政策金融公庫が行っている貸付制度です。
食品関連企業は食中毒をはじめとした衛生上の問題や風評被害、あるいは在庫のだぶつきによる損害、値引き競争といったさまざまな問題を抱えながら経営を行っていく必要があります。
そんな食品業の経営の安定化、あるいは創業、新事業への展開などに必要となる資金を融資するために日本政策金融公庫が提供している貸付制度が食品貸付です。
この融資制度の特徴としてまず挙げられるのは資金の使い道が非常に幅広いこと。
とくに食品業の場合、設備投資への負担が非常に大きいのが特徴のため、そちらの方面に幅広く用途を設定しています。
もっとも基本的な設備投資となる店舗や事務所、倉庫の新築・改築のほか従業員宿舎、冷凍・加工・調理設備の取得なども含まれます。
さらに店舗や事務所のために必要な土地の取得や創業後の運転資金などにも活用することが可能です。
とくに新規店舗をオープンする際にはこうした設備投資をまとめて行う必要があるだけにその負担を軽減するのに役立つ融資制度となるでしょう。
広く食品関連の企業を対象にした融資制度ですが、融資の対象者にはいくつかの条件が定められています。
まず食料品の小売業。この場合の「食料品」とは青果、魚介類、米穀、酒類、乳類、茶、パン・菓子、料理品が該当します。
それから食品を自ら製造している食品製造小売業、取り扱っている製品の一部として食品が含まれているスーパーやコンビニといった総合食料品小売業、さらに花き小売業も範囲に含まれます。
融資限度額は7200万円まで。
返済期間は13年以内。ただし新規開業に必要な場合の融資では15年以内、さらに必要な場合には20年まで延長することが可能です。
金利は返済期間などによって決定され、たとえば5年以内の返済なら基準利率が1.25~1.85、さらに特例Aとして0.85~1.45、特例Bとして0.60~1.20、特例Cとして0.35~0.95パーセントの割合で設定されます。
この辺りは融資環境によってそれぞれ異なります。
保証人・担保に関しては申込者の希望を考慮したうえで相談・決定される仕組みです。場合によっては担保がなくても融資を受けることも可能ですが、その分金利が高めになります。
また一部の地域で事業を行う場合には金利が有利に設定されるといった制度も設けられています。
食品業の新規オープンだけでなく、コンビニ・スーパーなどのフランチャイズに参加する際にも活用できるため、単に食品業に留まらない幅広い範囲で役立つ融資制度です。
当座の資金力に不安がある方、より積極的な事業展開を検討している方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。