人材開発支援助成金とは、雇用する人材のキャリアを形成するために必要な専門的知識・技能の普及を目的とした助成制度のことです。
メニューが4つあり、特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コースから選ぶことができます。
人材開発支援助成金は日本経済の活性化を意識した制度です。
まず会社が人材の育成に積極的になることで、人材の能力・スキルが向上します。
すると人材のモチベーションが上がり、些細なことで辞めようとしなくなるので、順調なキャリアアップが期待できます。
優秀な人材が長く会社にいれば当然会社の業績も上がるようになり、ひいては日本経済の活性化に繋がるという仕組みです。
特定訓練コースでは生産力の向上が期待できる訓練が対象で、一般訓練コースでは特定訓練コースで扱われるもの以外の訓練が対象となります。
また訓練は事業内訓練か施設に委託する事業外訓練のどちらかでなくてはいけません。
事業内訓練の場合、職業訓練指導員や専門的知識を有する指導員・講師が行うもの、事業主が運営する施設が行うものが対象です。
それに対して施設に委託する事業外訓練は、公共職業能力開発施設などの各種施設が行うもの、第3者の事業主・団体が運営する施設が行うもの、各種教育機関が行うもの、その他職業における知識、技能、技術を習得・向上させることを目的とする施設が行うものが対象となります。
特定訓練コース・一般訓練コースの助成金受給の流れですが、まず訓練計画を作成し、労働局へ提出します。
その後は実際に事業内訓練・施設に委託する事業外訓練を行い、申請書と各種必要書類を労働局に提出します。
それらの書類をもとに審査が行われ、問題がなければ助成金の支給が実行されます。(ただし、特定訓練コースの一部ではこれとは手順が異なることがあります。)
キャリア形成支援制度導入コースではセルフ・キャリアドッグ制度と教育訓練休暇制度(教育訓練短時間勤務制度)の2つの制度の導入が助成金の対象です。
前者はジョブカードを利用したキャリアコンサルティングを行う制度で、後者は訓練のために仕事を休んだり、早退・遅刻してもいいという制度です。
職業能力検定制度導入コースは職業に関わる検定を導入・実施した時に助成金の対象となります。
検定はすでに業界に存在するものでも構いませんし、新たに作ったものでも大丈夫です。
検定の導入は技能検定合格報奨金制度を就業規則に規定し、技能検定実施計画書を作成後、労働局へ提出すればOKです。