クラウドファンディングは2010年代に入る頃から注目を集めようになったシステムです。
欧米ではもう少し早い段階から行われていましたが、ここ4~5年ほどの間で日本でも急速に普及を見せています。
この制度はある特定の目的のために広い範囲からお金を集めて必要な資金を調達する手段のことです。
クラウドファンディングのクラウド(crowd)とは「群集」を意味する言葉で、その名称の通りおもに一般人を対象に広くお金を集めるのが大きな特徴です。
また資金を調達する側と提供する側の関係が非常に直接的なのもこのシステムの大きな特徴です。
例えば企業の主な資金調達の手段となる株式の発行では投資する側と資金を得る側の関係は決して直接的とは言わず、株式を購入した側も自分が支払ったお金がどのような形で使われているのか具体的に知る機会はほとんどありません。
それに対してクラウドファンデングは特定の目的を設定したうえで資金を調達するため自分が何のためにお金を提供するのかが非常にわかりやすい形となっています。
こうしたシステムの特徴からおもにクリエイティブ関連の活動に広く活用されています。
例えば特定の映像作品を作る際にファンやその作品に期待している人たちから広く制作費用を集めるやり方です。
その作品の製作にお金を使うとわかっていればお金を払う価値があるのかどうか判断しやすいわけです。
また、株式投資などのように配当金という形での見返りがほとんどないのもクラウドファンディングの大きな特徴です。
例えばこのシステムを利用して作られた映像作品が大ヒットを記録したからといって融資した人たちに配当金が支払われることはありません。
その代わり「その作品に協力した」「自分がお金を払ったお金があったからこそこの作品をつくることができた」といったお金にならない満足感を得ることができるのが大きな特徴です。
それ以外の具体的な見返りとしては作品中やパッケージにサンクスリストに名前が掲載されたり、クリエイターと直接交流する機会が与えられるといったケースが挙げられます。
映像、音楽などクリエイティブな分野では大資本の力が低下し、企業からの資金調達で作品作りを行うのが難しい時代になっています。
一方ではインターネットを活用した情報の拡散やファンとクリエイター、ファン同士の交流が容易になっている時代でもあります。
そのため大資本に頼らずファンの支えを受けたうえでクリエイターが本当に自分の作りたいものを作る、という環境づくりとしてこの制度が役立てられている面もあります。
今後このシステムはさらに広い範囲・ジャンルで拡大していくことが予想されています。
主なクラウドファンディングの一例
- クラウドクレジット
→ガイアの夜明け「金融維新」の回で紹介されていたクラウドクレジット。海外のお金のない新興国をメインにお金を貸して高い利回りを実現しています。番組の中では、108%の利率でお金を貸付している様子も紹介されていました。日本では許されない利率ですが、新興国においてはこうした利回りでも事業を回していくには必要なフェーズがあるのです。
貸付から回収するスタッフのコメントを見ても、同じ融資支援をするものとして感心するようなコメントがありました。
「日々の売上だけでなく、生活にかかる経費まで、全てを把握するようにしている。」
貸付を焦げ付かせないための基本であり、もっとも大切な与信管理姿勢だと言えます。
メガバンクや海外大手投資銀行などの金融機関で働いていたエリート達で構成されるベンチャー企業で、個人的にも非常に期待・楽しみにしています。