つなぎ融資とは、会社の資金繰りのために一時的にお金を貸すことをいいます。
会社は自社の商品やサービスを売って、利益を得ています。
たとえば製造業の場合なら、自社製品を作るために材料を仕入れなければいけません。
このようにまず材料を仕入れたり、商品を購入したりして自社製品やサービスを提供し、その後、購入者からお金が支払われることになります。
手持ち資金が潤沢であれば、材料や商品の仕入れが行えます。
しかし、得意先からの入金が遅れたなど、何らかのアクシデントがあって手元の資金が不足すると、仕入れができなくなり、営業がストップしてしまいます。
こうした事態を回避するために短期間だけお金を借りて、運転資金を確保することをつなぎ融資と呼んでいるのです。
単純な例を挙げると、100万円の原材料を仕入れたいが、手元に50万円しかない。しかし3か月後にはA社が振り出した300万円の手形が現金化できるといった場合に、足りない資金50万円を金融公庫や銀行などから借りて、3か月後にお金が入ったら借金を返すというものです。
近い将来に売上金が入ってくるのですから、短期間の融資でかつ、返済される可能性が高いと判断されるため、利用しやすい融資です。
ただ、つなぎ融資と見なされない場合は、融資を断れることもあるので要注意です。
純粋に売上金が入ってくるまでのつなぎとして、資金融資受ける場合は問題がありません。
しかし、経営難で赤字がある、他にも多数の融資を受けているといった状況の場合、本当につなぎ資金として使うのかどうかを細かく調べられます。
なぜなら赤字の穴埋めや、ほかの融資の返済にお金が回されて、不良債権となる可能性があるからです。
つなぎ融資の審査では、顧客の売掛金や受け取った約束手形、在庫といった資産から、買掛金や仕入れ先に振り出した支払手形の額を差し引いた金額が、融資の対象となるのが一般的です。
しかしここに、借金返済や損失による赤字などがあると審査が厳しくなり、つなぎ融資が受けられなくなるケースがあります。
とはいえ、短期間の融資ですから、たとえ赤字であっても慢性的な経営不振ではなく、将来に黒字に好転すると予想される場合や、借金の額が比較的少ない場合などは、返済能力があると判断されて融資を受けられる可能性も高くなります。
中小企業庁や金融庁でも認定支援機関及び金融機関に対して、つなぎ融資には適切に対応し、スムーズに融資を行うよう要請しています。
交渉次第で借りられる可能性もありますから、臆せず相談してみましょう。