ご存知の方も多いでしょうが、日本政策金融公庫の新創業融資の自己資金の要件が緩和されましたね。
これまでは、連帯保証人や不動産担保無しで新規開業資金の融資を受ける際には、総事業費の3分の1の自己資金が必要でした。(つまり、1000万円事業に必要だとしたら、300万円は自己資金で用意し、700万円の融資を受けると言う形が最低条件だったわけです。)
現在はこの要件が緩和されて、「創業資金総額の10分の1以上の自己資金」となりました。
先の例で言いますと、1000万円事業に必要だとしたら、100万円だけ自己資金で用意し、900万円の融資を受けることが「要件上は」可能になったと言うわけです。(また、事業内容や業種、経験、商品・サービスによっては自己資金ナシで3,000万円までの融資を受ける事も可能、とされています。)
→新創業融資制度の概要はこちらをご参照下さい。(日本政策金融公庫のページに飛びます。)
この記事を見て「ヤッホー」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身は非常に懐疑的であり、実際にこれの通り融資を受けられるであろう人はほんのわずかもわずかな稀なケースであろうと思います。
日本政策金融公庫のページに記載されているような要件を満たすだけなら、該当者は結構いると思います。(全く難しい要件ではないので)
資金調達では全く珍しくありませんが、要件該当と融資可否は全く別の話であると言う事です。
つまり、要件に合致していても融資NGになるなんて良くある事です。(むしろそっちの方が圧倒的に多く、要件該当は前提条件であり、該当しない場合は門前払いなわけですから。)
どんなに要件が緩和されようと、結局はこちらのページに記載しているように自己資金の履歴と事業計画書の精度で融資は決まるのです、結局。
融資可能額自体も1,500万円→3,000万円(運転資金は1,500万円まで)にアップしましたが、その前に融資OKのハードル自体が高いわけで、ほとんどの方は超えられません。
貸出条件の良い日本政策金融公庫の公的融資ですから、どれだけ条件が緩和されようと、ジャブジャブお金を引き出せるなんてことはないと言う事です。引き続き安易な気持ちで取り組まず、気を引き締めて融資申請に臨む必要があります。