現状把握
売上や経費、損益等の内部分析はもちろん、市場や競合等の外部分析をしっかり行い、今自社がどのような状況で、どのような立ち位置にいるのかを正確に把握し、簡潔にまとめる必要があります。
見栄や同情で融資が下りることはありませんので、実態より決して大きく見せたり、逆に悲観し過ぎる必要もありません。
苦境であれどんな状況であれ、正確にまずは現状を把握していることこそが、融資成功や事業立て直しの第一歩となります。
今後の見通しと対策
今後どのような対策を考えていて、どのようなビジョン(見通し)を持っているのか?
具体的で明確、実現可能性と持続可能性のある内容でなければなりません。
経費削減をするならば、どこに着手するのか?具体的にどの程度の削減になり、それによってどんな好影響と悪影響が生じるのか?
資産売却をして資金調達をするなら、その金額は?販路は?売却益なのか売却損なのか?
売上や利益の攻撃面はどうやって改善を図るつもりなのか?その為にどんな方策を考えており、その実行の為にどの程度の資金が必要なのか?
この辺を小見出しとして「売上」「経費」「利益」と分けて書くと、読む方も理解が進むでしょう。
また、資金繰りの肝でもある流動資産(主に現預金)と流動負債(主に買掛金支払い等、1年以内に支払うべき負債)の状況をまとめておくことで、企業としての倒産リスクがわかりやすくなりますので、盛り込んでおきたいところです。
返済計画
どんなに現状把握をして、今後の対策を具体的に立てたとしても、詰まる所、金融機関としては「返済してくれるかどうか?」が全てと言っても過言ではありません。
公益性の高い政府系金融機関であってもそれは当然のことです。返済可能性がない事業者へ融資をすることはあり得ないのです。
だからこそ、今後どのように返済をしていくかを明示することは、経営改善計画書では必須且つ最も重要な項目です。
今が苦境であっても、対策を講じることでどれだけの利益が出て、どれだけの返済が現実的に可能なのかは、しっかりと作り込んでいきましょう。
注意点としては、決してバラ色の返済計画にしないことです。
今が苦しいのに、早々とV字回復できるなんて誰も思っていませんし、期待してもいません。
ギリギリ利益が出て、ギリギリ返済が進む程度の計画で十分です。
これから目指すところ
ミクロで言えば上記の「今後の見通し」ですが、もっと大きな視点(マクロ)で記述しておきましょう。
事業体としてこれからどうなっていきたいのか?
V字回復を目指し攻勢をかけるのか、ダウンサイジングを進めて利益率を上げていくよう努力するのか。
業界のどのポジション取りをするのか?
どのように社会や顧客、従業員に貢献していこうと思うのか?また、経営者自身もどうやっていきたいのか。