為替手形とは、手形の振出人が、第三者の名宛人に対して、受取人である指図人への支払いを委託する形式の手形です。
この説明だけで理解するのは難しいですが、覚えておくべきは第三者が登場することです。
約束手形の取引では、手形の振出人と受取人である名宛人の二者間での取引になりますが、指図人という第三者が登場するために為替手形がややこしくなっています。
約束手形は、支払う人と受け取る人の二者間の関係です。譲渡すれば関係する人の数は増えますが、最終的には支払う人と受け取る人の二者が当事者になります。
これに対し、為替手形では当事者が三者になります。たとえば、A、B、Cという三社があり、それぞれに売掛取引の関係にあるとし、AがBに対して代金の支払い義務があり、BもCに対して支払い義務があるとすると、支払いの流れはA→B→Cとなるため、最初からAがCに直接支払えば効率的です。
この際、AがCに直接支払う手形を発行すると、Bを経由せず直接Cに支払いができます。この時発行されるのが為替手形です。
約束手形は、支払人が振出人、受取人が名宛人でしたが、為替手形は、振出人は振り出すだけ、支払人が名宛人になり、受取人が指図人になります。
束手形と為替手形では言葉の意味が違ってきますが、三者の関係は上記の通りシンプルなので一度理解できればわかりやすいはずです。